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2024.08.21
ARKと日軽形材、陸上養殖及び蓄養向け業務用水槽プラットフォーム「ARK ZERO」を共同開発
株式会社ARK(本社:東京都渋⾕区、以下ARK)と日軽形材株式会社(本社:岡山県高梁市、代表取締役社長:佐々木英孝、以下日軽形材)は、陸上養殖及び蓄養向け業務用水槽プラットフォーム「ARK ZERO」を共同で開発いたしましたので、お知らせいたします。
「ARK ZERO」は、高気密・高断熱な業務用水槽で、環境負荷を抑えつつ、水産物の生育環境を最適化すると共に事業者の導入・運用コストを大幅に削減することができます。「ARK ZERO」は設置環境やニーズに応じて自由に連結・水槽数を増減することができ、水量・水温・魚種を可変的に運用することが可能です。ARK ZEROを活用することにより、日本国内のみならず、グローバル水産市場におけるサプライチェーンの課題解決と、高付加価値なシーフードの流通を安定的に行う一助となることを目的としています。
◆「ARK ZERO」について
水産業の幅広いニーズに応える汎用的な水槽設備であり、様々なオプションを組み合わせることで蓄養から養殖まで幅広い用途にご活用いただくことができます。
また、断熱性能が非常に高く(光熱費計算で弊社従来製品比の約1/10)、業務用水槽の運用費において大きな割合を占めていた光熱費を大幅に削減することができます。また、多彩な濾過の仕組みの組み合わせにより、高い濾過性能を実現し、高密度で生体を蓄養・養殖することが可能です。
「ARK ZERO」は濾過槽一体型の「GULLタンク」と、水槽単体の「BAREタンク」の2つの水槽タイプがあります。各水槽を単体利用する事もできますが、連結して運用することも可能で、水槽設備グループ毎の水量を可変的に増減することができ、ポートフォリオ型の養殖、蓄養を目指すのに適した仕様となっています。
※GULLタンク x 1 + BAREタンク x 2の3台セットイメージ
ARKと日軽形材は、今後も持続的な水産業の発展のために、水産物の高付加価値化と安定供給への寄与に貢献してまいります。
以上
<ARK ZEROの主な仕様>
水槽サイズ | 4950 x 1915 x 1000mm |
実行水量 | 8.4t(水位90cm) |
水槽フレーム | アルミニウム押出形材 |
水槽断熱 | 硬質ポリウレタンフォーム(熱伝導率 0.021W/m ・K) t41mm |
蓋断熱 | 押出発泡ポリスチレン(熱伝導率 0.035W/m ・K) t50mm |
水槽連結口 | Φ75 x6口 |
重量 | 600kg ~ |
オプション | 断熱機械室、断熱蓋、足場板、間仕切り棒、冷却チラー、加温ボイラー、機械室クーラー、沈殿槽、ドラムフィルターキット、オゾナイザーキット、深紫外線殺菌灯キット、プロテインスキマー、流動担体生物濾過槽、循環ポンプ、水流ポンプ、エアポンプ&ストーン、自動給餌器、IoTキット |
<製品発表会及び展示会出展情報>
「ARK ZERO」を「第26回 ジャパンインターナショナルシーフードショー」に出展いたします。ぜひ、この機会にご覧ください。また、8月21日10:30より、当社展示ブースにて両社による新製品発表会を行います。
名称 | 第26回 ジャパンインターナショナルシーフードショー |
会期 | 2024年8月21日(水)~23日(金) 10:00~17:00(最終日は16:00まで) |
会場 | 東京ビッグサイト 東館5・6ホール |
ブース | 東館6ホール ブース番号F−64 |
主催 | 一般社団法人大日本水産会 |
新製品発表会 | |
日時 | 2024年8月21日(水)10:30~11:00 |
会場 | 上記当社ブース内 |
進行 | ①ご挨拶・会社説明(株式会社ARK 共同代表 栗原洋介) ②製品説明(株式会社ARK 共同代表 吉田勇) ③協業の狙い(日軽形材株式会社 代表取締役 佐々木英孝) ④Q&A・フォトセッション |
◆「ARK ZERO」シリーズについて
ARK ZEROはお客様の用途に応じた製品パッケージをご用意しております。
①業務用備蓄水槽「ARK ZERO SAVER」
水槽タイプ | GULLタンク・BAREタンク |
冷却チラー (冷凍機能力) | 5.80kW (60Hz) |
下限水温設定 | 10℃ |
消費電力 50/60Hz(W) | 3200/3500 |
濾過※オプション | 沈殿槽、ドラムフィルター、プロテインスキマー、流動担体生物ろ過槽、深紫外線殺菌灯キット、循環ポンプ、水流ポンプ、エアポンプ&ストーン |
発売 | 2024年8月21日 受注予約開始 |
②多連結型閉鎖循環式陸上養殖RAS「ARK ZERO MATRIX」
水槽タイプ | GULLタンク + BAREタンク x N |
発売予定 | 2025年春頃 |
◆『水産業界初*のアルミフレーム断熱水槽』ARK ZEROの3つの特性
①高断熱・高気密性
ARK ZEROは、水槽全体の断熱材として日軽パネルシステム株式会社の「GENESTA」を用いて、高断熱・高気密を実現しています。
高断熱:冷却・加温エネルギーの消費を抑え、運用コストを大幅に削減します(弊社従来製品比の約10倍)
高気密:ヒートブリッジレスな機構により密閉度を担保しつつ、水槽外部から気体を送り込む事により正圧を維持し、水槽内へ外気(熱)が混入しない仕組みです。
②アルミフレーム
押出成形による溶接レス設計
アルミフレームは押出成形で製造することで、溶接箇所がなくフレームの弱点となる接合部分がありません。
デザインと成形の自由度
押出成形技術を用いることで、複雑な断面形状やカスタムが容易で、デザインの自由度が高く、配線やパイプ穴を設けるなど、使い勝手を向上させる設計を実現しています。
③持続可能な設計思想
ARKは、私たちの企業理念を反映した水槽づくりのポリシーとして、分解可能な構成を前提とし、できる限りリユース、リサイクルが可能な設計となっております。なお、ARK ZEROで採用している、ノンフロン断熱パネルGENESTAは、第4世代の発泡剤「HFO」を使用し、製造過程においても環境への負荷が低いパネル材です。フレームのアルミニウムは容易にリサイクル可能で、環境への負荷を低減します。水槽内張りの樹脂素材も着脱可能なため、リサイクル可能です。
◆パートナーによるエンドースメント
神奈川県 小田原市 株式会社鮑屋 代表取締役社長 市川将史氏
「私共鮑屋は、1587年の創業から430余年、小田原を拠点に魚や水産の仕事に関わってまいりました。近年、これまで例になかったような速度で、海洋や水産を取り巻く環境は変化し、大きな潮目を迎えていると感じております。この変化に適応し、テクノロジーも活用しながら「陸で人が養う漁業」という選択肢を模索する中で、ARKの構想に出会いました。ARK ZEROを使って、新たに陸上養殖や蓄養を事業に組み込むことで、鮮度が高くおいしくて安全な魚介類を安定的に提供できるようになり、お客様の多様なニーズにお応えできるのではないかと期待しています。」
沖縄県 国立琉球大学 理学部 教授 竹村明洋氏
「ARK社と琉球大学との約2年間に渡る陸上養殖に関する共同研究において、既存の製品であるARK-V1とREF-V1を活用して、ヤイトハタやアオサといった南方性重要種の養殖実験を行っています。ARK ZEROはこれまでの研究成果を礎とした製品であり、沖縄で陸上養殖を普及させる際の課題(コストや災害時の非常用電源確保など)が解決されています。水槽を組み合わせることで、自由度の高い運用が可能になるため、陸上養殖を普及させる起爆剤になることを期待しています。」
【株式会社ARK】
ARKは「LET THE OCEAN REST, CREATE YOUR OWN(海を休ませるために、陸上に⼩さな海を作る)」というコンセプトの元、どこでも・誰でも⽔産物⽣産の担い⼿になれる仕組みとして、⼩型・分散型の閉鎖循環式陸上養殖システム「ARK-V1」、「REF-V1」および「STARBOARD BY ARK」といった製品群を開発・製造・販売している研究開発型スタートアップです。
設立日: 2020年12月23日
日本本社: 東京都渋谷区広尾1丁目7-20
グローバル本社: ARK WORLDWIDE LTD., London, UK
湘南製作所: 神奈川県平塚市東八幡4丁目15番13−1
平塚陸上養殖研究所: 神奈川県平塚市千石河岸57−7
沖縄営業所: 沖縄県読谷村宇座1861
公式サイト: https://ark.inc
連絡先: sales@ark.inc
【日軽形材株式会社】
*日軽形材株式会社(ニッケイカタザイ カブシキガイシャ)は、日本軽金属グループの一員として、アルミにこだわった事業展開を行っており、西日本地区の拠点としてアルミニウム押出加工販売事業の一端を担っており、短納期・小ロット生産を強みとしたアルミニウム押出形材・加工品を提供しております。
この度、ご紹介致します養殖システム「ARK ZERO」に関しては、当社素材製造、加工組立技術及び強度解析によって実現化し、必要とされる各種機能については、日本軽金属グループ内の技術を集結した形で製品化に至っています。『断熱』性能については、日軽パネルシステム㈱の業務用冷蔵庫用断熱パネルを採用し、高断熱性能を実現、外部環境と一体化するデザインとして、化粧材には日本軽金属㈱
名古屋工場の板材を使用、水槽として求められる強度・耐久性は、弊社のアルミ押出形材を使用し、これまでにない断熱性の高い水槽を実現化致しました。